病室に沈丁の香の漂へり
時折は富士を隠せし卯波かな
北斎の富士を隠せし卯波かな
遠富士も笑ひけるかな安房日和
遠富士も霞のなかに笑ひけり
早蕨や相模はおぼろ道祖神
芽紫陽花青める朝の冷たさよ
一尺の鰆を捌く技の冴え
早春や常臥の母のまた眠る
うららかや何処かに帽子置き忘れ
闇に住む数多の鬼に豆を打つ
遠富士の今朝はくっきり寒桜
残心の気の張りつめし初稽古
凧の糸引くは遠富士招く如と
峠から太鼓の谺山笑ふ
こころざし今も忘れず返り花
薄氷を割る力あり蕗のたう
赴任せしみちのくの丘春嵐 03.3.10 5.18
貝寄風や浜に拾ひし紅き石
貝寄風や桜貝より潮の音

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