花の雨托鉢僧は微動せず
2003年4月27日月光の蝶ともなりて降りにけり
花蘂を掃くもこだわり胸にあり
新幹線一気に抜ける花菜畑
駅頭の菫のもとに妻を待つ
忘れ得ぬ人の逝きにし春銀河
花梨の摘花始まる甲斐盆地
頬覆ひ取れば佳人や花吹雪
鳶の笛花蘂掃いて小半日
涅槃絵に確と見付けし吾が未来
花吹雪夢を未来に託しては
振り向きて鏡を見れば花吹雪
早春の淀の堤をひた走り
少年僧秘かに牡丹掃きにけり
逆上がり助けてやれば東風の朝
みどりごの靴脱げ易くチューリップ
入学の子の母を残して走りけり
入学生春嶺望み人想ふ
荒東風や歯科医のドリル軋みけり
ゆらゆらと陽炎に見し逝きし父
夕東風や海女の憩ひの珈琲一椀
大漁旗掲げし古城に春の鳶
荒東風や隠れ信徒の銀クルス
絵手紙の先生配る桜餅
東風吹けば一瞬崩る傀儡かな
托鉢の鉄鉢に降る桜蘂
花の雨托鉢僧は微動せず
花の雨托鉢僧は立ちつくす
自転車の何故か軽やか菫の野
ズボン裾折りし少年入学す
落花の夜ひそかに沸かす珈琲かな
覚めてより落花の雨と知りにけり
襖引く音に散りけるチューリップ
昼餉後の夢より覚めて花曇り
カーテンのそよげば崩るチューリップ
白桃の眺ぬるほどに小半時
蓮池にモネのさざ波煌めきぬ
ままごとの皿に溢れし藤の花
背中から声掛けられて蓬摘み
花蘂を数多落として夜の雨
卯月尽靴下一足破れては
花蘂を鋤き込んでいる学校園
杖付けど胸にいだきし藤の房
合歓の花みどりご寧き深眠り
花蘂を掃くもこだわり胸にあり
新幹線一気に抜ける花菜畑
駅頭の菫のもとに妻を待つ
忘れ得ぬ人の逝きにし春銀河
花梨の摘花始まる甲斐盆地
頬覆ひ取れば佳人や花吹雪
鳶の笛花蘂掃いて小半日
涅槃絵に確と見付けし吾が未来
花吹雪夢を未来に託しては
振り向きて鏡を見れば花吹雪
早春の淀の堤をひた走り
少年僧秘かに牡丹掃きにけり
逆上がり助けてやれば東風の朝
みどりごの靴脱げ易くチューリップ
入学の子の母を残して走りけり
入学生春嶺望み人想ふ
荒東風や歯科医のドリル軋みけり
ゆらゆらと陽炎に見し逝きし父
夕東風や海女の憩ひの珈琲一椀
大漁旗掲げし古城に春の鳶
荒東風や隠れ信徒の銀クルス
絵手紙の先生配る桜餅
東風吹けば一瞬崩る傀儡かな
托鉢の鉄鉢に降る桜蘂
花の雨托鉢僧は微動せず
花の雨托鉢僧は立ちつくす
自転車の何故か軽やか菫の野
ズボン裾折りし少年入学す
落花の夜ひそかに沸かす珈琲かな
覚めてより落花の雨と知りにけり
襖引く音に散りけるチューリップ
昼餉後の夢より覚めて花曇り
カーテンのそよげば崩るチューリップ
白桃の眺ぬるほどに小半時
蓮池にモネのさざ波煌めきぬ
ままごとの皿に溢れし藤の花
背中から声掛けられて蓬摘み
花蘂を数多落として夜の雨
卯月尽靴下一足破れては
花蘂を鋤き込んでいる学校園
杖付けど胸にいだきし藤の房
合歓の花みどりご寧き深眠り
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