街焼けて山河麗し赤蜻蛉

短歌コーナー
宵祭り浴衣着こなしイヤリングどれにしようか迷ふや乙女
真っ赤な嘘があるならば青き真実ありそうな屋外プールにしばし泳ぎぬ
エアポケットに入りし飛行機急落下やうやく揚がる怖さぞありぬ
(セスナに乗った体験でした。)

俳句コーナー
那智黒の猫を買ひけり草の店
粉薬飲むにひと酌岩清水
欠伸して昼寝の時間の幼稚園
アイスクリン買ふも嬉しき軽井沢
梅雨荒れやスイッチバックのバスありて
岩清水汲みて大瀧拝みけり
神体と言ふ荒瀧の激しさよ
荒れ瀧は岩に跳ねつつ落ちにけり
神なれば瀧にしめ縄張りにけり
夏布団何時しか横に深眠り
夏布団何時しか脱げて深眠り
緑蔭に絵説きの僧の肩丸く
九十の母に残され梅雨ごもり
大川に潮の満ち引き終戦忌
日高川さみだれ曇り道成寺
夏山に大きく廻る鳶の笛
をみな振る御輿荒れたる祭かな
イヤリング大きく下げて浴衣着る
イヤリング取らばや浴衣着る時は
宵祭胸もと香る浴衣かな
何時にしか化粧の薄れ御輿振り
女稚児少し恥ずかし祭笛
ふと見れば浴衣着に似合ふ知人かな
夏風邪と言ふも楽しき宵歩き
夏の夜の独りし嬉しギター弾く
墓の径通りて供花の百合供ふ
屈みては写真撮りたし百合の花
盆踊り太鼓の響き小半日
どの峡も相馬盆唄相競ひ
髪洗ふことも愉しき病後かな
焼け跡に青春ありて雲の峯
街焼けて山河麗し赤蜻蛉
引越して髪を洗へば杜若