短歌コーナ
襟裳なる岬のはるか海原に白波砕く磯の荒さやよ
紀の国の小さな旅に行きたれば那智黒すずり買ひし思ひ出
少年のあまりに無口思ふこと遂には告げず手を振り別る
青嶺踏み白き雲見る雲水に名を尋ぬればそは山頭火
駅前にメロンの屋台開く時愉し歌ふ三時の時計

俳句コーナー
母となる吾子は花火好きであり
落ちてなほ線香花火跳ねにけり
凌霄花ただ今不在の駐在所
俳友は矢切の生まれ凌霄花
行々子矢切の渡し今もなほ
荒梅雨や熊野古道の亦崩れ
梅雨晴れの潮騒聞こへ春夫邸
繙くは万葉集や梅雨ごもり
秘文書を燃やす煙も炎暑かな
紙魚光る秘密文書は怖ろしや
繙きし旧約聖書紙魚走る
空蝉の枯葉の色の淋しさよ
みどりごの猫の姿の昼寝かな
音の無き水輪また増ゆあめん坊
椅子二つ並べて狭き三尺寝
猫と共昼寝をするも亦愉し
み熊野の古道を踏みて瀧拝む
夏燕甍は国立博物館
青葉潮わたつみ神は大鏡
掻き揚げ天添へて冷や麦いま喪中
み熊野の古道の荒れて青葉風
黒南風や垣無き家の日輪草
みどりごの退屈電話梅雨ごもり
梅雨晴間洗濯をして蒲団干し
梅雨なれど水中訓練消防隊

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