空蝉の折紙細工のやうに落ち
飲む薬一つ減らしてまた泳ぐ
郭公の吾を招くか尾瀬ケ原
機関車は真黒にして青芒
機関車の長き沈黙青芒
藁葺の山門入りて菊茶会
祖父の地を遠くに思ひ青芒
浜木綿や民宿の朝若布汁
揚羽蝶蕎麦の花畑彷徨ひて
妻留守の独り夕餉の茸汁
妻留守のひとりで廻る扇風機
はまなすの図書館で借る童話集
廃校の窓から見ゆる土用波
花南瓜遙かな沖に小さき夢
昼顔の沖のボートに未来あり
新涼や念入りに洗ふ風呂場かな
長崎の折り鶴のある夕銀河 
不動尊の裳裾を濡らす滝飛沫
新涼や風呂場の窓を開け放ち
青芒看取り疲れの顔洗ふ
蕎麦の花看取り疲れの目を洗ふ
稲妻のほしいままなるプールかな



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