集い来て遊ばむことは愉しけれ俳句に遊び短歌に遊ぶ

次の11句は井上かほりさんが選んでくれましたので再掲します。
懐かしき浪速の空の赤蜻蛉 麦秋
文字摺草分けて現る子猫かな 
月明の岬にあまた山葡萄 
盆太鼓隣部落と競ひけり
白南風や屋根のシーサ-沖睨む
不動尊小さき瀧に打たれをり 
百合一輪描きて今宵良き眠り 
竜巻の渦の移動も秋暑し
注連縄の匂へる瀧を崇めけり
野を覆ふ火は籾を焼く潟田かな
夜もなほ瑠璃色にして秋の蝶
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青林檎剥きては指の傷沁みる
目つむれば松風深む台風後
目つむれば松籟のなか素秋かな
焦点の合はぬ新聞秋時雨
焦点の合はぬ眼鏡や草紅葉
眼鏡屋の窓より見しは秋日照雨
珈琲店の玻璃窓曇る秋時雨
珈琲店の俳句談義も雁来紅
雁来紅牧師不在の小教会
雁来紅零れ賛美歌歌うとき
朝霧の飛騨高山の蕪漬け
朝顔の零れ静かに朝明ける
水汲めば紺朝顔のまた零れ
蔓ごとに揺るる朝顔朝の冷え
朝顔の崩れる気配ふと思ひ
青海星昼寝の渚波よせる    
宇宙より落ちて昼寝の海星かな
逝く秋を惜しみて俳句談義かな
菊展の朝の曇りや麻草履
さらさらと血の流れかくも秋茜
栗を剥く妻の手先の危なげに
岬いま空を溢れし鰯雲
台風の色はと聞けば青なりぬ
台風の残して去りぬ木の実かな

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