枇杷実る運河の岸の朝ぐもり

June 7 Wednesday 2004 Cloudy　Rain 24℃
0530 Met Mr. Ishii at seaside. 1400 Central sports　club swimming .pool. 1500 Ichibansen super market.


物思ヘば沢の蛍も我が身よりあくがれ出づる魂かとぞ見る　　　和泉式部

家持の勧めし胸黄食みて雨
家持も食みしと思ふ胸黄食む
行商の輝く茄子を味噌汁に
真直な胡瓜ならずも良き胡瓜
茂吉翁好みし鰻吾も食む
かの茂吉好みし鰻吾も食む
胡瓜和つくりて妻の帰り待つ
胡瓜和へ好きなる妻と三十年過ぎ
曲りたる胡瓜も良けれ雨あがる
胡瓜には何の曲りも気にならず
花茄子に戯る蝶のここかしこ
花茄子や朝の運河にたぎりあり
花茄子や朝の運河に潮の満ち
花茄子や朝の運河に潮動く
葉桜や少女軽々木を登る
十薬や聞けば哀しき子守唄
十薬や聞く毎哀し子守唄
十薬や祖母の形見の子守唄
十薬や苦き思ひの子守唄
枇杷実る運河の岸の朝ぐもり
十薬や想ひ出のみの子守唄
十薬や祖母しか知らぬ子守唄
十薬や今は聞かざる子守唄
十薬や古き昔の子守唄
十薬や貰ひ子唄ふ子守唄
青梅雨の水輪を数ヘて妻を待つ
待ち人の遂に来らず梅雨の紺
夜の蟻待ち人遂に来ざりけり