ピカソ展ひかり眩しきつばくらめ
2003年5月16日内輪なる通夜は皐月の曇りかな
通夜に聞く皐月の雨や髭を剃る
ポピー咲く野を進みゆく葬の列
百合の花青年僧の眉高し
鯔跳ねる音に破れし花筏
覚めてより皐月の雨や通夜更けて
夏の夜の夢に見る道又分かれ
葬の夜の湯飲み洗へば芥子の雨
この母の天寿全ったき芥子の花
母よりも祖母が良しとて花大根
ピカソ展ひかり眩しきつばくらめ
通夜明けの熱き味噌汁芥子の花
母は今百合に包まれ出棺す
母は今百合に包まれ旅立ちぬ
通夜に聞く皐月の雨や髭を剃る
ポピー咲く野を進みゆく葬の列
百合の花青年僧の眉高し
鯔跳ねる音に破れし花筏
覚めてより皐月の雨や通夜更けて
夏の夜の夢に見る道又分かれ
葬の夜の湯飲み洗へば芥子の雨
この母の天寿全ったき芥子の花
母よりも祖母が良しとて花大根
ピカソ展ひかり眩しきつばくらめ
通夜明けの熱き味噌汁芥子の花
母は今百合に包まれ出棺す
母は今百合に包まれ旅立ちぬ
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飛ぶまではわた蒲公英の円球に
2003年5月14日レタス食みこの世まったく幸せに
芥子咲くや手作りパンの甘さかな
絵手紙の先生に出すレタスの絵
完熟のトマトを切れば緑の夜
塵芥はトマトのへたとレタスの芯
ふらこらに黒きTシャツ忘れをり
草に乗る雨粒大き珠となり
雨粒は真珠となりて草に乗り
蒲公英の視線で小さき蕾愛ず
飛ぶまではわた蒲公英の円球に
まだ青き桃の修善寺朝の雨
ピカソ見てまなこの疲れ花吹雪
花辣韮砂丘の馬車で小半時
月光の蝶舞ふやうに葱坊主
春月の玻璃越しの見しプールかな
奥伊勢の風呂までの闇牛蛙
河馬のごと水に浮かべば春の月
カーネーション歯科開診の歌時計
義歯入れて試みに噛む麦一筋
芥子咲くや手作りパンの甘さかな
絵手紙の先生に出すレタスの絵
完熟のトマトを切れば緑の夜
塵芥はトマトのへたとレタスの芯
ふらこらに黒きTシャツ忘れをり
草に乗る雨粒大き珠となり
雨粒は真珠となりて草に乗り
蒲公英の視線で小さき蕾愛ず
飛ぶまではわた蒲公英の円球に
まだ青き桃の修善寺朝の雨
ピカソ見てまなこの疲れ花吹雪
花辣韮砂丘の馬車で小半時
月光の蝶舞ふやうに葱坊主
春月の玻璃越しの見しプールかな
奥伊勢の風呂までの闇牛蛙
河馬のごと水に浮かべば春の月
カーネーション歯科開診の歌時計
義歯入れて試みに噛む麦一筋
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野の若葉見るべし窓を開け放つ
2003年5月13日Early summer breeze !
Waiting my sweet heart
But she did not come
(初夏の風待てども来ない想ふ人)
Morning dew in early summer
Field covered by clover
I am plying Taijichen
(太極拳舞ふクローバの朝湿り)
母を看に行く小径若葉雨
初夏の雲を割りて伸びゆく飛行雲
砂の城またも壊れて藤の苑
早乙女の昼餉食みつつジャズを聞く
野の若葉見るべし窓を開け放つ
風音にあらずとんぼう羽の音
笹百合の咲けば微かに風の声
白詰のなかに一点紅の花
蚕豆を割るより早く飛びにけり
春風や手を振り別れバスの友
蚕豆を青し甘しとつまみけり
摘み草や夕日に縺る蝶のあり
友呼べば背なより答ふ蓬の野
油虫殺して吾は罪重ね
紫陽花の七曜新たはじまりぬ
わらび狩り羆の餌となるしか な
わらび採り蝦夷の山より帰らざり
わらび採り丘を隔てて呼び交わす
潮干狩吾らばかりとなる怖さ
蓬野に溶けさう蝶の二つ三つ
柏餅食みて積み木のまた始め
糸柳縺れて解ける風ありぬ
立子忌や絵手紙ひとつ墨を磨る
Waiting my sweet heart
But she did not come
(初夏の風待てども来ない想ふ人)
Morning dew in early summer
Field covered by clover
I am plying Taijichen
(太極拳舞ふクローバの朝湿り)
母を看に行く小径若葉雨
初夏の雲を割りて伸びゆく飛行雲
砂の城またも壊れて藤の苑
早乙女の昼餉食みつつジャズを聞く
野の若葉見るべし窓を開け放つ
風音にあらずとんぼう羽の音
笹百合の咲けば微かに風の声
白詰のなかに一点紅の花
蚕豆を割るより早く飛びにけり
春風や手を振り別れバスの友
蚕豆を青し甘しとつまみけり
摘み草や夕日に縺る蝶のあり
友呼べば背なより答ふ蓬の野
油虫殺して吾は罪重ね
紫陽花の七曜新たはじまりぬ
わらび狩り羆の餌となるしか な
わらび採り蝦夷の山より帰らざり
わらび採り丘を隔てて呼び交わす
潮干狩吾らばかりとなる怖さ
蓬野に溶けさう蝶の二つ三つ
柏餅食みて積み木のまた始め
糸柳縺れて解ける風ありぬ
立子忌や絵手紙ひとつ墨を磨る
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クローバー
2003年5月12日明日香にはたちばなの花数多咲き額田の君をいづこにか見る
黒潮の響く紀の国うまし丘いま花橘さかりなりける
Singing clock !
In front of the station
I finded tulip bloosoms.
(歌時計鳴れば駅前チューリップ)
パラソルの佳人おもかげ隠せずに
パラソルを少し傾け挨拶す
パラソルの君の憂ひ隠さずに
夏立つや花壇に水をあまた撒く
見えぬ芥子見て眼鏡拭く目しひ人
目しひ人杖つきて立つ藤の苑
夏立つや花壇に水をあまた撒き
涙拭く目しひの人や藤の苑
慣れ親たむみちのく言葉リラの花
若葉せし赴任の風に少し慣れ
花さつき猫は日影で良く眠る
もも鳥のさえずり囲む太極拳
太極拳舞へばもも鳥さえずりぬ
若草の湿り足裏に太極拳
若草の朝の湿りの太極拳
湿りけるクローバ踏みて太極拳
団子虫歩むクローバの湿りかな
母の日はガラス器に活けしゃがの花
しゃがの花ガラス器に活け母祝ふ
カーネーションガラス器に活け母祝ふ
油虫捕らへし吾を赦されよ
学校園に茄子種蒔いてやや疲れ
黒潮の響く紀の国うまし丘いま花橘さかりなりける
Singing clock !
In front of the station
I finded tulip bloosoms.
(歌時計鳴れば駅前チューリップ)
パラソルの佳人おもかげ隠せずに
パラソルを少し傾け挨拶す
パラソルの君の憂ひ隠さずに
夏立つや花壇に水をあまた撒く
見えぬ芥子見て眼鏡拭く目しひ人
目しひ人杖つきて立つ藤の苑
夏立つや花壇に水をあまた撒き
涙拭く目しひの人や藤の苑
慣れ親たむみちのく言葉リラの花
若葉せし赴任の風に少し慣れ
花さつき猫は日影で良く眠る
もも鳥のさえずり囲む太極拳
太極拳舞へばもも鳥さえずりぬ
若草の湿り足裏に太極拳
若草の朝の湿りの太極拳
湿りけるクローバ踏みて太極拳
団子虫歩むクローバの湿りかな
母の日はガラス器に活けしゃがの花
しゃがの花ガラス器に活け母祝ふ
カーネーションガラス器に活け母祝ふ
油虫捕らへし吾を赦されよ
学校園に茄子種蒔いてやや疲れ
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幼な蜘蛛みどりの糸を紡ぎ初め
2003年5月11日Scent ! That is good.
Even gentleman in early summer wind.
(をのこにも香水佳けれ初夏の風)
ゆらゆらとゆれるおもひははわがこころきみのもとへとゆめはおとなふ
葱坊主ひらひら降るは月光かはたまた蝶とも見へにけるかも
蜘蛛の子はあやかなる糸紡ぎけり如何なる衣織らぬためにか
知らぬとて酷き言の葉あたえへしか今宵秘かに春星に言ふ
捻草をひともと残し草刈り女
高波のしぶき数多や夏の富士
橡青葉まなこに沁みし大路かな
をのこにも香水佳けれ青嵐
白詰草といへどひとつは紅の花
遠足は童話の国へバス5台
バスで行くメルヘンの国チューリップ
幼な蜘蛛みどりの糸を紡ぎ初め
病室の窓を開けば皐月風
病室の窓より松葉菊見へて
花さつき子猫まことに良く眠る
目しひ人涙を拭う花さつき
花さつき子猫現れまた隠れ
歌時計いま午後三時チューリップ
歌時計正午を唄う芥子の花
売れ残るメロン一つや花時計
小半時捜し四つ葉のクローバー
武者人形積み木の城はまた壊れ
幼な子の汗して積み木遊びする
君の手を握ればかすか汗ならむ
Even gentleman in early summer wind.
(をのこにも香水佳けれ初夏の風)
ゆらゆらとゆれるおもひははわがこころきみのもとへとゆめはおとなふ
葱坊主ひらひら降るは月光かはたまた蝶とも見へにけるかも
蜘蛛の子はあやかなる糸紡ぎけり如何なる衣織らぬためにか
知らぬとて酷き言の葉あたえへしか今宵秘かに春星に言ふ
捻草をひともと残し草刈り女
高波のしぶき数多や夏の富士
橡青葉まなこに沁みし大路かな
をのこにも香水佳けれ青嵐
白詰草といへどひとつは紅の花
遠足は童話の国へバス5台
バスで行くメルヘンの国チューリップ
幼な蜘蛛みどりの糸を紡ぎ初め
病室の窓を開けば皐月風
病室の窓より松葉菊見へて
花さつき子猫まことに良く眠る
目しひ人涙を拭う花さつき
花さつき子猫現れまた隠れ
歌時計いま午後三時チューリップ
歌時計正午を唄う芥子の花
売れ残るメロン一つや花時計
小半時捜し四つ葉のクローバー
武者人形積み木の城はまた壊れ
幼な子の汗して積み木遊びする
君の手を握ればかすか汗ならむ
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冷奴紫蘇を刻めばなほ旨し
2003年5月10日After watched Wistria blossoms
Put off the clothes
And tie on the mirror
(藤を見しネクタイ鏡に掛けにけり)
青嵐吹けば小さき旅鞄季寄せ手帳を一番上に
合歓の花君の微笑み吾が胸にまた何処にて逢あはむとぞ思ふ
藤の花眺めて帰る花衣鏡に掛ける帯の一筋
竹の子を赤子のやうに洗ひけり
春蘭の盛りの香り部屋に満ち
折り紙の内裏雛には眉入れず
配達の乙女蝶々つれて来し
芥子の雨未熟の子にも誕生日
太極拳舞へばしっとりと汗ばみし
冷奴紫蘇を刻めばなほ旨し
夏涼しうたかたの夢覚めて良し
鯖焼けば窓いっぱいに藤の風
図書館へ行く花さつき散らす雨
世捨て人ベンチで眠る藤の花
哲人のベンチで眠る藤の花
藤棚に白き帽子の世捨人
藤棚に眠りをりける世捨人
藤降るやウクレレ教師リボン付け
内証で妻の香水借りにけり
レストランへ行くべし香水付けるべし
短か夜や俳誌を読むに鶏の声
牛肉を買へば公園新樹光
クローバの花咲く小径いま工事
藤散るや砂場の城の又壊れ
クローバの花咲く苑に太極拳
遠雷の国見の山に木霊せり
卯波立つ真砂女逝くまで恋をして
牛乳を買ふため歩む藤の径
藤散るや今宵は君と散歩など
春蘭を歩道で売れる良き日和
田植して天までつづく棚田かな
菊苗を差して一人身薄けはひ
菊苗や未だ亡き人と言はれまじ
岸に芥子池のは鯉の泡作り
芹の根を洗う水さへ惜春譜
芹洗う水の響きも惜春譜
春の葱一束載せし乳母車
芹洗う小川にさへも惜春譜
はみ出して歩道で売るはカーネーション
Put off the clothes
And tie on the mirror
(藤を見しネクタイ鏡に掛けにけり)
青嵐吹けば小さき旅鞄季寄せ手帳を一番上に
合歓の花君の微笑み吾が胸にまた何処にて逢あはむとぞ思ふ
藤の花眺めて帰る花衣鏡に掛ける帯の一筋
竹の子を赤子のやうに洗ひけり
春蘭の盛りの香り部屋に満ち
折り紙の内裏雛には眉入れず
配達の乙女蝶々つれて来し
芥子の雨未熟の子にも誕生日
太極拳舞へばしっとりと汗ばみし
冷奴紫蘇を刻めばなほ旨し
夏涼しうたかたの夢覚めて良し
鯖焼けば窓いっぱいに藤の風
図書館へ行く花さつき散らす雨
世捨て人ベンチで眠る藤の花
哲人のベンチで眠る藤の花
藤棚に白き帽子の世捨人
藤棚に眠りをりける世捨人
藤降るやウクレレ教師リボン付け
内証で妻の香水借りにけり
レストランへ行くべし香水付けるべし
短か夜や俳誌を読むに鶏の声
牛肉を買へば公園新樹光
クローバの花咲く小径いま工事
藤散るや砂場の城の又壊れ
クローバの花咲く苑に太極拳
遠雷の国見の山に木霊せり
卯波立つ真砂女逝くまで恋をして
牛乳を買ふため歩む藤の径
藤散るや今宵は君と散歩など
春蘭を歩道で売れる良き日和
田植して天までつづく棚田かな
菊苗を差して一人身薄けはひ
菊苗や未だ亡き人と言はれまじ
岸に芥子池のは鯉の泡作り
芹の根を洗う水さへ惜春譜
芹洗う水の響きも惜春譜
春の葱一束載せし乳母車
芹洗う小川にさへも惜春譜
はみ出して歩道で売るはカーネーション
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更衣鏡に掛けし帯ひとつ
2003年5月9日最近インターネット英語俳句に投句しています。妖しげな英語ごめんなさい。
Early summer wind !
The girl earnest loves for har kitty
(初夏の風乙女子猫に恋をせし)
Azalea blossoms !
A missonary was cutting hair
By his wife.
(花さつき妻に髪切らるる宣教師 )
鯉のぼり鉛筆書きの恋の文
葉桜の林に燃やす恋の文
みちのくの紙漉の庭落とし文
藤散るや絵馬の一枚恋の歌
藤の風絵馬に記せし恋願ひ
初夏の海望みし砂丘馬車歩む
じゃじゃ馬の今は淑やか夏料理
花大根単身赴任二年過ぎ
空豆を抓む指にて文を開く
幼な子の一番大きな苺摘む
新聞に散るパンの屑藤の花
お見舞に持ちし一束花さつき
退院のめどは付かずに藤の雨
青東風に浮かれ一人の太極拳
紫陽花やカーテン引かる病ひ部屋
パソコンの画面見つめて藤の風
お祝いをメールで送る藤の夜
雲水の鉄鉢に降る藤の花
幼な子のシンデレラ好き鯉のぼり
そら豆を茹でて下総との曇り
ロゼワイン薦められしが皐月の夜
林檎割る朝の食卓初夏の風
若葉照りまなこ傷みて薬飲む
メール打つ春は名のみの誕生日
さざ波の志賀の湖には花筏
去年より七日遅れの藤まつり
葛餅に店に聞きたり藤便り
貝塚の埴輪の呼ぶや藤の風
藤を見てどこかに杖を忘れけり
げんげ田に大柱立て鯉のぼり
職退きて新しき友また加へ
あやめ田や前に行くのみ振りむかず
卒業の校歌蕪村の大河あり
脱ぎ捨てて鏡に掛ける花衣
下萌の校庭校舎今は無き
越訛りにて食卓の藤便り
草萌や廃校となる母校かな
窓開けて一日一夜藤の風
うららかや親指姫のつもりの子
妻むかし稚けなかりし小百合かな
黒板を濡れ布で拭き卒業す
八重桜良く見むとして窓を拭く
白鳥の去る雲見つめ涙ぐむ
揺れるたび風を呼びけり糸柳
億年のただ一瞬の合歓の花
涅槃西風の海岸線に屑珊瑚
耶蘇人の茴香育て歳重ね
藤苑に紫の上ある如く
藤の風揺れける絵馬に恋の歌
奈良七重若葉の風は鑑真に
若葉風忘れられたる忠魂碑
更衣鏡に掛けし帯ひとつ
Early summer wind !
The girl earnest loves for har kitty
(初夏の風乙女子猫に恋をせし)
Azalea blossoms !
A missonary was cutting hair
By his wife.
(花さつき妻に髪切らるる宣教師 )
鯉のぼり鉛筆書きの恋の文
葉桜の林に燃やす恋の文
みちのくの紙漉の庭落とし文
藤散るや絵馬の一枚恋の歌
藤の風絵馬に記せし恋願ひ
初夏の海望みし砂丘馬車歩む
じゃじゃ馬の今は淑やか夏料理
花大根単身赴任二年過ぎ
空豆を抓む指にて文を開く
幼な子の一番大きな苺摘む
新聞に散るパンの屑藤の花
お見舞に持ちし一束花さつき
退院のめどは付かずに藤の雨
青東風に浮かれ一人の太極拳
紫陽花やカーテン引かる病ひ部屋
パソコンの画面見つめて藤の風
お祝いをメールで送る藤の夜
雲水の鉄鉢に降る藤の花
幼な子のシンデレラ好き鯉のぼり
そら豆を茹でて下総との曇り
ロゼワイン薦められしが皐月の夜
林檎割る朝の食卓初夏の風
若葉照りまなこ傷みて薬飲む
メール打つ春は名のみの誕生日
さざ波の志賀の湖には花筏
去年より七日遅れの藤まつり
葛餅に店に聞きたり藤便り
貝塚の埴輪の呼ぶや藤の風
藤を見てどこかに杖を忘れけり
げんげ田に大柱立て鯉のぼり
職退きて新しき友また加へ
あやめ田や前に行くのみ振りむかず
卒業の校歌蕪村の大河あり
脱ぎ捨てて鏡に掛ける花衣
下萌の校庭校舎今は無き
越訛りにて食卓の藤便り
草萌や廃校となる母校かな
窓開けて一日一夜藤の風
うららかや親指姫のつもりの子
妻むかし稚けなかりし小百合かな
黒板を濡れ布で拭き卒業す
八重桜良く見むとして窓を拭く
白鳥の去る雲見つめ涙ぐむ
揺れるたび風を呼びけり糸柳
億年のただ一瞬の合歓の花
涅槃西風の海岸線に屑珊瑚
耶蘇人の茴香育て歳重ね
藤苑に紫の上ある如く
藤の風揺れける絵馬に恋の歌
奈良七重若葉の風は鑑真に
若葉風忘れられたる忠魂碑
更衣鏡に掛けし帯ひとつ
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北斎の卯波の富士は今朝もまた
2003年5月8日he wind from wisteria blossoms !
When drying bedding coverlet
on the veranda fence.
(ベランダに蒲団を干せば藤の風)
A flying swallow
Over the museum window
In whitch displaying
Haiga(Haiku poem with painting) paintings
(つばくらの窓をかすめし俳画展)
A cat in her loving season
Walking on the high fence
slightly
(恋猫のしなやかにして塀歩く)
はつなつの
日矢こそまぶし
たけむらに
かぐや姫にと
逢ひしおどろき
遙か来て
想ふは君の
おもかげぞ
ただひたすらに
文を書くのみ
風受けて
蒲公英の絮
飛びにけり
その行き先は
君のもとにか
藤の花吾が歳言へぬ子にありし
噴水を隔てて想う君が来し
噴水の一瞬とまる驚きに
青嵐吹けば崩るる傀儡かな
荒海の佐渡の竹の子良き香り
長髪の竹の子売りと話こむ
古新聞出す庭先に藤の風
夏料理やや薄くちの味が良し
北斎の卯波の富士は今朝もまた
背泳ぎをすればとなめの赤蜻蛉
ひこばえの葉桜を分け水を汲む
ひこばえの葉桜の影水を汲む
鯉のぼり猫のハンカチ好きなる子
紫陽花やこの子子猫に恋をせし
When drying bedding coverlet
on the veranda fence.
(ベランダに蒲団を干せば藤の風)
A flying swallow
Over the museum window
In whitch displaying
Haiga(Haiku poem with painting) paintings
(つばくらの窓をかすめし俳画展)
A cat in her loving season
Walking on the high fence
slightly
(恋猫のしなやかにして塀歩く)
はつなつの
日矢こそまぶし
たけむらに
かぐや姫にと
逢ひしおどろき
遙か来て
想ふは君の
おもかげぞ
ただひたすらに
文を書くのみ
風受けて
蒲公英の絮
飛びにけり
その行き先は
君のもとにか
藤の花吾が歳言へぬ子にありし
噴水を隔てて想う君が来し
噴水の一瞬とまる驚きに
青嵐吹けば崩るる傀儡かな
荒海の佐渡の竹の子良き香り
長髪の竹の子売りと話こむ
古新聞出す庭先に藤の風
夏料理やや薄くちの味が良し
北斎の卯波の富士は今朝もまた
背泳ぎをすればとなめの赤蜻蛉
ひこばえの葉桜を分け水を汲む
ひこばえの葉桜の影水を汲む
鯉のぼり猫のハンカチ好きなる子
紫陽花やこの子子猫に恋をせし
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甘藍
2003年5月7日A young fennels !
Whitch I took
Spreaded your scent
In the air.
茴香を折ればひろがるその香り
逝く春や
妖精の君
遠くなる
このひとときを
さみしとぞ思ふ
太筆の
かすれも良けれ
菫描く
女教師に愁ひ
あるかに
古書店の浮世絵曝す青葉風
菖蒲湯の菖蒲の刃先胸を刺す
鯉のぼりこの子ようやく笑み初めぬ
甘藍を浅漬にして夜の紺
藤棚に作務衣を掛けて新書読む
作務衣脱ぎ藤降るなかに太極拳
汗拭きつ配達少女走りけり
夏立つや檜扇開き乙女舞ふ
青嵐開きし聖書しかと読む
一片のさつきの浮かぶ水を汲む
青葉風木椅子の聖書開き去る
松葉菊庭に溢れて俳画展
俳画には稚拙も良けれ松葉菊
パンジーのひと筆俳画技の冴え
幼な子の胸を飾りしクローバー
椰子の実の果汁飲むれば南風
藤村の椰子の実の詩や南風
羽布団干せばたちまち草の風
わが友に茴香の香を贈りたし
Whitch I took
Spreaded your scent
In the air.
茴香を折ればひろがるその香り
逝く春や
妖精の君
遠くなる
このひとときを
さみしとぞ思ふ
太筆の
かすれも良けれ
菫描く
女教師に愁ひ
あるかに
古書店の浮世絵曝す青葉風
菖蒲湯の菖蒲の刃先胸を刺す
鯉のぼりこの子ようやく笑み初めぬ
甘藍を浅漬にして夜の紺
藤棚に作務衣を掛けて新書読む
作務衣脱ぎ藤降るなかに太極拳
汗拭きつ配達少女走りけり
夏立つや檜扇開き乙女舞ふ
青嵐開きし聖書しかと読む
一片のさつきの浮かぶ水を汲む
青葉風木椅子の聖書開き去る
松葉菊庭に溢れて俳画展
俳画には稚拙も良けれ松葉菊
パンジーのひと筆俳画技の冴え
幼な子の胸を飾りしクローバー
椰子の実の果汁飲むれば南風
藤村の椰子の実の詩や南風
羽布団干せばたちまち草の風
わが友に茴香の香を贈りたし
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春日傘少し傾ぐは君のため
2003年5月6日わが心
君の心に
近ければ
大樹の影に
君の影見ゆ
教会の
庭に育ちし
茴香を
手折ればまさに
初夏は薫れる
春風の息吹き開きし福音書
Lovely spring breeze !
Bible’s new page
Opened by your breath
さえずりに囲まれ舞ひし太極拳
藤小花浴びてしばしの太極拳
素麺の渦の幾つぞ誕生日
聖五月椀に渦巻くみどりの茶
星雲の碧き渦巻く新茶かな
星雲の渦巻と見し新茶かな
春風にページ開かる福音書
春背広ネクタイピンに猫目石
春背広タイに光るは猫目石かな
春日傘少し傾ぐは君のため
白扇にかな柔らかき大和歌
花芭蕉硝子の部屋に妻と吾
萌草を素足で滑る太極拳
かくもまた紫陽花の彩あまた
つばくらや笑み初めし子は六ヶ月
花さつき麦とろ飯のまったりと
そうめんは硬めに茹でてこれで良し
茴香(ういきょう)の若芽を巴里と食みにけり
茴香を賜りけるはみどりの夜
茴香の香り満ちたる朝餉かな
茴香を折ればたちまち香り湧き
茴香の香り満ちたる廚かな
蕗を煮てこの夜少しのうれしさに
顔隠る綿菓子食みて花祭り
顔隠るほどの綿菓子花でいご
和太鼓を打ちて汗の女子大生
君の心に
近ければ
大樹の影に
君の影見ゆ
教会の
庭に育ちし
茴香を
手折ればまさに
初夏は薫れる
春風の息吹き開きし福音書
Lovely spring breeze !
Bible’s new page
Opened by your breath
さえずりに囲まれ舞ひし太極拳
藤小花浴びてしばしの太極拳
素麺の渦の幾つぞ誕生日
聖五月椀に渦巻くみどりの茶
星雲の碧き渦巻く新茶かな
星雲の渦巻と見し新茶かな
春風にページ開かる福音書
春背広ネクタイピンに猫目石
春背広タイに光るは猫目石かな
春日傘少し傾ぐは君のため
白扇にかな柔らかき大和歌
花芭蕉硝子の部屋に妻と吾
萌草を素足で滑る太極拳
かくもまた紫陽花の彩あまた
つばくらや笑み初めし子は六ヶ月
花さつき麦とろ飯のまったりと
そうめんは硬めに茹でてこれで良し
茴香(ういきょう)の若芽を巴里と食みにけり
茴香を賜りけるはみどりの夜
茴香の香り満ちたる朝餉かな
茴香を折ればたちまち香り湧き
茴香の香り満ちたる廚かな
蕗を煮てこの夜少しのうれしさに
顔隠る綿菓子食みて花祭り
顔隠るほどの綿菓子花でいご
和太鼓を打ちて汗の女子大生
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大根の花の散るさへ愁ひかな
2003年5月5日初恋は
萌草のごと
麗はしく
君の笑顔は
春の妖精
恋ふごとく
真鯉緋鯉は
からまれり
どこかロダンの
像を思はゆ
初夏の風座敷に透し蕎麦すする
保育器の赤子かわゆき子供の日
賜りし団扇に水着少女かな
ふくよかな妻は機嫌で青嵐
ルノアールの少女ふくよか毛糸編む
しゃきしゃきとレタスを食めば聖五月
レタスを食むすべての窓を明けはなち
ひとつかみ三つ葉を摘めば朝曇り
蘭の香に少し酔ひたる美術館
花いばら思ふふるさと鮒の川
茴香を賜りし夜も聖五月
手鏡の白雪姫に若葉風
夏立つや茴香の香の野に満ちて
初恋の少年穂麦を銜へけり
ふるさとの麦秋の野はまばろしに
わが住める海辺に麦穂見ざりけり
遠ちに富士望みし丘に蕗を採る
寝ころびてウエルテル読むは菫の野
(少年の頃 ゲーテの「若きウエルテルの悩み」をぼろぼろになるまで読みま した。その時の理想の女性は シャルロッテ でした。)
野遊びや寝ころびて読むゲーテかな
桃の花乙女の夢はシンデレラ
野遊びに卵を茹でて行くべしや
遠足に持ちてゆきたし茹で卵
長閑けきや杖を捜して十五分(私ではありません)
囀りに包まれ飛びぬテニス球
大根の花の散るさへ愁ひかな
蜆採る小舟は傾ぎまた傾ぎ
萌草のごと
麗はしく
君の笑顔は
春の妖精
恋ふごとく
真鯉緋鯉は
からまれり
どこかロダンの
像を思はゆ
初夏の風座敷に透し蕎麦すする
保育器の赤子かわゆき子供の日
賜りし団扇に水着少女かな
ふくよかな妻は機嫌で青嵐
ルノアールの少女ふくよか毛糸編む
しゃきしゃきとレタスを食めば聖五月
レタスを食むすべての窓を明けはなち
ひとつかみ三つ葉を摘めば朝曇り
蘭の香に少し酔ひたる美術館
花いばら思ふふるさと鮒の川
茴香を賜りし夜も聖五月
手鏡の白雪姫に若葉風
夏立つや茴香の香の野に満ちて
初恋の少年穂麦を銜へけり
ふるさとの麦秋の野はまばろしに
わが住める海辺に麦穂見ざりけり
遠ちに富士望みし丘に蕗を採る
寝ころびてウエルテル読むは菫の野
(少年の頃 ゲーテの「若きウエルテルの悩み」をぼろぼろになるまで読みま した。その時の理想の女性は シャルロッテ でした。)
野遊びや寝ころびて読むゲーテかな
桃の花乙女の夢はシンデレラ
野遊びに卵を茹でて行くべしや
遠足に持ちてゆきたし茹で卵
長閑けきや杖を捜して十五分(私ではありません)
囀りに包まれ飛びぬテニス球
大根の花の散るさへ愁ひかな
蜆採る小舟は傾ぎまた傾ぎ
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ジャスミンの香れる店に菓子を買ひ
2003年5月4日月やあらぬ春や昔の春ならぬわが身ひとつはもとの身にして 在原業平
新緑の
ポプラ並木を
乗馬少女
一瞬にして
駈け去りにけり
(北海道大学ポプラ並木にて実景)
懐かしき
星野道夫の
写真展
白熊遊ぶ
アラスカ美はし
(5月3日銀座松屋 星野道夫展にて)
西行の
来たる鎌倉
大公孫樹
いにしへのまま
青嵐吹く
芥子咲かせ駅前交番今朝不在
花皐月水尾伸ばして走る舟
形代のあやめの水にひと回り
一瞬に電車掠むる初燕
入学子母を離れぬつぶらな目
カーネーション抱いて背で押す木の扉
道遠く青虫を引く蟻の群れ
遠ちに在る師の夢にこそ春惜しむ
雲雀へと折り紙飛行機飛ばしけり
北国のリラの花こそ良かりけり
目借り時結婚指輪失しなひて
逝く春を惜しみ詩集を繙きぬ
安房卯波真砂女まことの恋をせし
みちのくは水の豊かに蜆採る
聖五月保育器の子のなほいとし
ギターの弦張り替ひたれば若葉風
春愁や紙飛行機を飛ばしけり
愁ふことあまりに多く葱坊主
わだつみは仲春にして水尾一つ
大河より春の沖へと水尾つづく
芹の水ここに大河の始まりぬ
芹の根の水より川の始まりぬ
それぞれの牡丹に添へし句の木札
ジャスミンの香れる店に菓子を買ひ
花さつき指輪を受くるときめきに
無意識の母のためにと花さつき
奈良七重鑑真さまに若葉風
新緑の
ポプラ並木を
乗馬少女
一瞬にして
駈け去りにけり
(北海道大学ポプラ並木にて実景)
懐かしき
星野道夫の
写真展
白熊遊ぶ
アラスカ美はし
(5月3日銀座松屋 星野道夫展にて)
西行の
来たる鎌倉
大公孫樹
いにしへのまま
青嵐吹く
芥子咲かせ駅前交番今朝不在
花皐月水尾伸ばして走る舟
形代のあやめの水にひと回り
一瞬に電車掠むる初燕
入学子母を離れぬつぶらな目
カーネーション抱いて背で押す木の扉
道遠く青虫を引く蟻の群れ
遠ちに在る師の夢にこそ春惜しむ
雲雀へと折り紙飛行機飛ばしけり
北国のリラの花こそ良かりけり
目借り時結婚指輪失しなひて
逝く春を惜しみ詩集を繙きぬ
安房卯波真砂女まことの恋をせし
みちのくは水の豊かに蜆採る
聖五月保育器の子のなほいとし
ギターの弦張り替ひたれば若葉風
春愁や紙飛行機を飛ばしけり
愁ふことあまりに多く葱坊主
わだつみは仲春にして水尾一つ
大河より春の沖へと水尾つづく
芹の水ここに大河の始まりぬ
芹の根の水より川の始まりぬ
それぞれの牡丹に添へし句の木札
ジャスミンの香れる店に菓子を買ひ
花さつき指輪を受くるときめきに
無意識の母のためにと花さつき
奈良七重鑑真さまに若葉風
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十勝には佳人多くてライラック
2003年5月3日泡となり
いずれ去りゆく
吾なれど
このひとときの
連翹を愛で
保育器に
はぐくむいのち
いとほしく
五月五日に
生まれし子なりそ
種蒔けば
たちまち二重
虹の橋
これを渡れば
きみのもとへと
われもまた
おこがましくも
夢の人
西行芭蕉
吾の師なれば
風邪の夜の夢に聞こゆは君のうた
疎開の子八十八夜母恋ひし
春うらら昨夜の夢のつづきかな
葉桜や干物のことによき香り
藤の風きのふの夢のつづきまた
濯ぎものすればまことに藤日和
朝餉にも妻と話すは藤のこと
花さつき咲き初むとのみ良き便り
白さつき犬に牽かるは佳人にて
蒲公英の野に座し少しくうれしくて
食卓にさつきの苑の話など
犬引きし佳人の髪の風の揺れ
さつき咲くバス停にまでひた走り
藤日和配達少女髪溢れ
砂の山踏めば崩るる花らっきょう
花さつき母を看に行く小半時
藤棚に少年野球ひと休み
蒲公英のわた飛ぶ苑にもの思ふ
蒲公英のまっ盛りなる野にひと眠り
もの言はぬ母に一輪白さつき
花あやめ配達少女髪の揺れ
介護にと急ぐ道の辺花さつき
見舞にと来れる友に花の雨
豆の花揺るは心の揺れにして
北国はいまリラ祭り風の町
リラ咲けば十勝うるはしき朝となり
十勝には佳人多くてライラック
いずれ去りゆく
吾なれど
このひとときの
連翹を愛で
保育器に
はぐくむいのち
いとほしく
五月五日に
生まれし子なりそ
種蒔けば
たちまち二重
虹の橋
これを渡れば
きみのもとへと
われもまた
おこがましくも
夢の人
西行芭蕉
吾の師なれば
風邪の夜の夢に聞こゆは君のうた
疎開の子八十八夜母恋ひし
春うらら昨夜の夢のつづきかな
葉桜や干物のことによき香り
藤の風きのふの夢のつづきまた
濯ぎものすればまことに藤日和
朝餉にも妻と話すは藤のこと
花さつき咲き初むとのみ良き便り
白さつき犬に牽かるは佳人にて
蒲公英の野に座し少しくうれしくて
食卓にさつきの苑の話など
犬引きし佳人の髪の風の揺れ
さつき咲くバス停にまでひた走り
藤日和配達少女髪溢れ
砂の山踏めば崩るる花らっきょう
花さつき母を看に行く小半時
藤棚に少年野球ひと休み
蒲公英のわた飛ぶ苑にもの思ふ
蒲公英のまっ盛りなる野にひと眠り
もの言はぬ母に一輪白さつき
花あやめ配達少女髪の揺れ
介護にと急ぐ道の辺花さつき
見舞にと来れる友に花の雨
豆の花揺るは心の揺れにして
北国はいまリラ祭り風の町
リラ咲けば十勝うるはしき朝となり
十勝には佳人多くてライラック
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鈴蘭は北国咲く夢の花
2003年5月2日藤を見て
葛餅食みて
悔ひのなき
このひとときを
賜りにけり
鈴蘭に
土よせをりぬ
そのときの
胸に小さな
幸こそありぬ
あほやねん
ふるさとのえき
さるときも
あつきおもひを
つひにつげざる
顎髭の筍売りと立ち話
顎髭の男と筍談義など
小半日蕗を太らすささめ雨
藤日和昼餉の鰹たたき良し
津軽なる林檎を割れば蜜溢れ
吾妹子の好きなる林檎酸ぱしや
豆入りの煎餅好きな妻と居て
蕗欲しと丘に来たれど雨怖し
藤日和葛餅買ひし人あまた
鯉のぼり誕生祝ひ何持たむ
聖五月爪青きなるほどレタス食む
そら豆のしゃききしゃき噛みて卯月尽
鈴蘭を育て耶蘇人耳しひて
葱坊主この子悪戯はげしくて
耳しひの耶蘇人鈴蘭育てけり
鯉のぼり未熟の子にも誕生日
鈴蘭は北国咲く夢の花
葛餅食みて
悔ひのなき
このひとときを
賜りにけり
鈴蘭に
土よせをりぬ
そのときの
胸に小さな
幸こそありぬ
あほやねん
ふるさとのえき
さるときも
あつきおもひを
つひにつげざる
顎髭の筍売りと立ち話
顎髭の男と筍談義など
小半日蕗を太らすささめ雨
藤日和昼餉の鰹たたき良し
津軽なる林檎を割れば蜜溢れ
吾妹子の好きなる林檎酸ぱしや
豆入りの煎餅好きな妻と居て
蕗欲しと丘に来たれど雨怖し
藤日和葛餅買ひし人あまた
鯉のぼり誕生祝ひ何持たむ
聖五月爪青きなるほどレタス食む
そら豆のしゃききしゃき噛みて卯月尽
鈴蘭を育て耶蘇人耳しひて
葱坊主この子悪戯はげしくて
耳しひの耶蘇人鈴蘭育てけり
鯉のぼり未熟の子にも誕生日
鈴蘭は北国咲く夢の花
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藤見れば紫の上ある思ひ
2003年5月1日夫亡くも化粧ひ忘れず芥子の花
鈴蘭を育てるのみぞ夫喪き後
若葉雨園児の傘の大きすぎ
雨に揺る豆の花こそ薄みどり
緑なる雨のそぼ濡る豆の花
ふき日々に育てる雨となりにけり
逢ふごとに友に告げるは藤のこと
舞台には藤の風来し里神楽
吾妹子も紫の上か藤の苑
藤咲くと風の便りのありにけり
紫の君藤の苑にぞおはしけり
藤咲かせ葛餅作り二百年
生き代わり葛餅作る藤の花
葛の餅きなこたっぷり藤を見て
藤の香やお茶たっぷりと葛の餅
鈴蘭を育てるのみぞ夫喪き後
若葉雨園児の傘の大きすぎ
雨に揺る豆の花こそ薄みどり
緑なる雨のそぼ濡る豆の花
ふき日々に育てる雨となりにけり
逢ふごとに友に告げるは藤のこと
舞台には藤の風来し里神楽
吾妹子も紫の上か藤の苑
藤咲くと風の便りのありにけり
紫の君藤の苑にぞおはしけり
藤咲かせ葛餅作り二百年
生き代わり葛餅作る藤の花
葛の餅きなこたっぷり藤を見て
藤の香やお茶たっぷりと葛の餅
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祭笛仕りけるは漁師らし
2003年4月30日真砂女いま
卯波の店を
次の世に
開きしといふ
便り聞きけり
糸手毬
跳ね返りては
ころころと
睡蓮の池
青きたそがれ
はなさつき
少し開ききし
朝にして
君の癒しを
祈るばかりか
藤咲きて
天神詣で
なしたれば
君のためにぞ
深く祈りそ
春日傘斜ぎ佳人の片笑窪
花桃を間引く指先甲斐の富士
入学子母に笑みもて手を振れり
祭笛仕りけるは漁師らし
深川や芭蕉はいまも雛の夢
深川を発ちて芭蕉は春の旅
初夏の尾瀬彷徨ひたればば遠郭公
鳥帰る貝塚の丘まろやかに
春風は浪漫の夢をのせて来し
わらべ絵の象の遊べる虹の空
卯波の店を
次の世に
開きしといふ
便り聞きけり
糸手毬
跳ね返りては
ころころと
睡蓮の池
青きたそがれ
はなさつき
少し開ききし
朝にして
君の癒しを
祈るばかりか
藤咲きて
天神詣で
なしたれば
君のためにぞ
深く祈りそ
春日傘斜ぎ佳人の片笑窪
花桃を間引く指先甲斐の富士
入学子母に笑みもて手を振れり
祭笛仕りけるは漁師らし
深川や芭蕉はいまも雛の夢
深川を発ちて芭蕉は春の旅
初夏の尾瀬彷徨ひたればば遠郭公
鳥帰る貝塚の丘まろやかに
春風は浪漫の夢をのせて来し
わらべ絵の象の遊べる虹の空
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春日傘傾少し斜ぐは君のため
2003年4月29日恋について。私にとって恋は森羅万象、この世にあるもの、生きとし生きる物、詩、音楽、絵画、彫刻などの芸術あるいは自然、また過去、未来すべてのものに対する愛、いとほしい、あわれ と言う気持ちです。だから一生何かを恋し、恋ある人生でありたい。
忍ぶれど色に出でにけるわが恋は物や思ふと人の問ふまま 平兼盛 拾遺集
たゆたふ舟に
舟人は
声優しくも
恋を唄へり
藤のもと
去りにし人の
文燃やす
いまただひとり
君を恋ふのみ
明日のこと
知れぬこの夜の
恋なれば
いまの心を
詩にぞ託さむ
豆の風単身赴任の身に強し
花豆に十勝の嶺に風至る
十勝野の風に遊びし豆の花
鯊を待つ男無口で新書読む
魚籠に鯊泳がせていて無口
みどりなる子蜘蛛は糸を紡ぎ初め
忍ぶれば春の日傘で顔かくす
忍ぶれば春の日傘で恋かくす
おもかげを春日傘にてかくさばや
緋牡丹のやがては溶ける夜のみどり
卯波いま北斎の富士かくさむや
わが魂は蝶ともなりて君のもと
著莪の野に日曜学校始まりぬ
囀りに加へて貰う雀の子
一茶あれば吾も愛する雀の子
春日傘傾少し斜ぐは君のため
ほんのりと日焼けせしとは春日傘
麗かや恋する人に逢ふべきや
著莪咲くや出羽の小町と聞き及び
初夏やシャツのあまたを漂白し
春日傘斜ぎ佳人の片笑窪
花桃を間引く指先甲斐の富士
プリムラの赤白黄色復活祭
鈴蘭のちらほら咲いて復活祭
著莪咲きし庭に小さき復活祭
豆粒のやうな教会復活祭
団子虫手にかくしける一年生
戯れに虫食ふふりをしてみたり
一年生ダイヤの如く虫を見し
校長の朗らかにして蘭植える
忍ぶれど色に出でにけるわが恋は物や思ふと人の問ふまま 平兼盛 拾遺集
たゆたふ舟に
舟人は
声優しくも
恋を唄へり
藤のもと
去りにし人の
文燃やす
いまただひとり
君を恋ふのみ
明日のこと
知れぬこの夜の
恋なれば
いまの心を
詩にぞ託さむ
豆の風単身赴任の身に強し
花豆に十勝の嶺に風至る
十勝野の風に遊びし豆の花
鯊を待つ男無口で新書読む
魚籠に鯊泳がせていて無口
みどりなる子蜘蛛は糸を紡ぎ初め
忍ぶれば春の日傘で顔かくす
忍ぶれば春の日傘で恋かくす
おもかげを春日傘にてかくさばや
緋牡丹のやがては溶ける夜のみどり
卯波いま北斎の富士かくさむや
わが魂は蝶ともなりて君のもと
著莪の野に日曜学校始まりぬ
囀りに加へて貰う雀の子
一茶あれば吾も愛する雀の子
春日傘傾少し斜ぐは君のため
ほんのりと日焼けせしとは春日傘
麗かや恋する人に逢ふべきや
著莪咲くや出羽の小町と聞き及び
初夏やシャツのあまたを漂白し
春日傘斜ぎ佳人の片笑窪
花桃を間引く指先甲斐の富士
プリムラの赤白黄色復活祭
鈴蘭のちらほら咲いて復活祭
著莪咲きし庭に小さき復活祭
豆粒のやうな教会復活祭
団子虫手にかくしける一年生
戯れに虫食ふふりをしてみたり
一年生ダイヤの如く虫を見し
校長の朗らかにして蘭植える
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藤の夜や俳句の精に囚われて
2003年4月28日君の声
聞こへぬ吾は
耳しひか
今は藤房
たわわのぞ揺る
夢に見る
初恋の君
おさげ髪
今はいかなる
髪を粧はむ
ギター弾く
指の疲れを
癒すべく
やまと歌など
詠まむとする
みどりなる
空に揺れける
藤の房
紫の君
知るや知らぬや
吾妹食ぶもなか半分藤日和
天神の藤を見ばやと決めにけり
蓬餅買ふは吾妹の好むため
亀戸の藤を見むとて決めにけり
藤を見て葛餅買ふを楽しみに
その昔蓬を摘みて恋をして
早蕨を摘むバンパイザーの佳人かな
転勤の正装にして花衣
藤の夜や俳句の精に囚われて
花衣酔さまさむとしてミルク飲む
温室の蘭の香に酔ひ小半時
仰ぐべし十勝の国の豆の花
桜貝拾へば胸に夢湧きぬ
あやめ田に湧き水の音君の声
江戸川のあやめの岸の渡し舟
花吹雪接吻像を降り余し (上野 西洋美術館)
青嵐ロダンの青銅接吻像
わが魂は蝶ともなりて君のもと
庭下駄で行く花蕊の茶室かな
多賀城の吾一人じめ山桜
金剛も葛城山も花吹雪
踏切は谷地の深みに初音かな
平等院おとどの睡り花菖蒲
雪柳俳句は初心師は芭蕉
囀りの誘ひは君の誘ひか
小米花木地師無口でこけし挽く
渦潮の海峡遙か鳥雲に
逝くときは卯波に濡れし真砂女かな
涅槃西風やポケットに鳴る桜貝
耶蘇人の説きて止まずや花吹雪
春潮やかくれ耶蘇人銀クルス
病院に濯ぎ衣持てば桜草
筍を遂に見ずとて竹林
聞こへぬ吾は
耳しひか
今は藤房
たわわのぞ揺る
夢に見る
初恋の君
おさげ髪
今はいかなる
髪を粧はむ
ギター弾く
指の疲れを
癒すべく
やまと歌など
詠まむとする
みどりなる
空に揺れける
藤の房
紫の君
知るや知らぬや
吾妹食ぶもなか半分藤日和
天神の藤を見ばやと決めにけり
蓬餅買ふは吾妹の好むため
亀戸の藤を見むとて決めにけり
藤を見て葛餅買ふを楽しみに
その昔蓬を摘みて恋をして
早蕨を摘むバンパイザーの佳人かな
転勤の正装にして花衣
藤の夜や俳句の精に囚われて
花衣酔さまさむとしてミルク飲む
温室の蘭の香に酔ひ小半時
仰ぐべし十勝の国の豆の花
桜貝拾へば胸に夢湧きぬ
あやめ田に湧き水の音君の声
江戸川のあやめの岸の渡し舟
花吹雪接吻像を降り余し (上野 西洋美術館)
青嵐ロダンの青銅接吻像
わが魂は蝶ともなりて君のもと
庭下駄で行く花蕊の茶室かな
多賀城の吾一人じめ山桜
金剛も葛城山も花吹雪
踏切は谷地の深みに初音かな
平等院おとどの睡り花菖蒲
雪柳俳句は初心師は芭蕉
囀りの誘ひは君の誘ひか
小米花木地師無口でこけし挽く
渦潮の海峡遙か鳥雲に
逝くときは卯波に濡れし真砂女かな
涅槃西風やポケットに鳴る桜貝
耶蘇人の説きて止まずや花吹雪
春潮やかくれ耶蘇人銀クルス
病院に濯ぎ衣持てば桜草
筍を遂に見ずとて竹林
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花の雨托鉢僧は微動せず
2003年4月27日月光の蝶ともなりて降りにけり
花蘂を掃くもこだわり胸にあり
新幹線一気に抜ける花菜畑
駅頭の菫のもとに妻を待つ
忘れ得ぬ人の逝きにし春銀河
花梨の摘花始まる甲斐盆地
頬覆ひ取れば佳人や花吹雪
鳶の笛花蘂掃いて小半日
涅槃絵に確と見付けし吾が未来
花吹雪夢を未来に託しては
振り向きて鏡を見れば花吹雪
早春の淀の堤をひた走り
少年僧秘かに牡丹掃きにけり
逆上がり助けてやれば東風の朝
みどりごの靴脱げ易くチューリップ
入学の子の母を残して走りけり
入学生春嶺望み人想ふ
荒東風や歯科医のドリル軋みけり
ゆらゆらと陽炎に見し逝きし父
夕東風や海女の憩ひの珈琲一椀
大漁旗掲げし古城に春の鳶
荒東風や隠れ信徒の銀クルス
絵手紙の先生配る桜餅
東風吹けば一瞬崩る傀儡かな
托鉢の鉄鉢に降る桜蘂
花の雨托鉢僧は微動せず
花の雨托鉢僧は立ちつくす
自転車の何故か軽やか菫の野
ズボン裾折りし少年入学す
落花の夜ひそかに沸かす珈琲かな
覚めてより落花の雨と知りにけり
襖引く音に散りけるチューリップ
昼餉後の夢より覚めて花曇り
カーテンのそよげば崩るチューリップ
白桃の眺ぬるほどに小半時
蓮池にモネのさざ波煌めきぬ
ままごとの皿に溢れし藤の花
背中から声掛けられて蓬摘み
花蘂を数多落として夜の雨
卯月尽靴下一足破れては
花蘂を鋤き込んでいる学校園
杖付けど胸にいだきし藤の房
合歓の花みどりご寧き深眠り
花蘂を掃くもこだわり胸にあり
新幹線一気に抜ける花菜畑
駅頭の菫のもとに妻を待つ
忘れ得ぬ人の逝きにし春銀河
花梨の摘花始まる甲斐盆地
頬覆ひ取れば佳人や花吹雪
鳶の笛花蘂掃いて小半日
涅槃絵に確と見付けし吾が未来
花吹雪夢を未来に託しては
振り向きて鏡を見れば花吹雪
早春の淀の堤をひた走り
少年僧秘かに牡丹掃きにけり
逆上がり助けてやれば東風の朝
みどりごの靴脱げ易くチューリップ
入学の子の母を残して走りけり
入学生春嶺望み人想ふ
荒東風や歯科医のドリル軋みけり
ゆらゆらと陽炎に見し逝きし父
夕東風や海女の憩ひの珈琲一椀
大漁旗掲げし古城に春の鳶
荒東風や隠れ信徒の銀クルス
絵手紙の先生配る桜餅
東風吹けば一瞬崩る傀儡かな
托鉢の鉄鉢に降る桜蘂
花の雨托鉢僧は微動せず
花の雨托鉢僧は立ちつくす
自転車の何故か軽やか菫の野
ズボン裾折りし少年入学す
落花の夜ひそかに沸かす珈琲かな
覚めてより落花の雨と知りにけり
襖引く音に散りけるチューリップ
昼餉後の夢より覚めて花曇り
カーテンのそよげば崩るチューリップ
白桃の眺ぬるほどに小半時
蓮池にモネのさざ波煌めきぬ
ままごとの皿に溢れし藤の花
背中から声掛けられて蓬摘み
花蘂を数多落として夜の雨
卯月尽靴下一足破れては
花蘂を鋤き込んでいる学校園
杖付けど胸にいだきし藤の房
合歓の花みどりご寧き深眠り
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花筏破り突然鯔飛びぬ
2003年4月26日カーテンを
引けば刹那に
チューリップ
微塵となりて
壊るかなしき
胸にある
秘密の扉
開くまじ
愛する人
の訪れるまで
若葉して御めの雫ぬぐはばや 芭蕉 (唐招提寺 鑑真像 国宝)
奈良七重毘沙門堂に春の蝶
奈良七重鑑真さまに若葉風
青嵐鑑真さまの目に涙
まぎれ無く目借り時なる句会かな
沈丁花苦吟の果ての夕まぎれ
つばくらや幾年妻に仕へしや (お笑いあれ)
野遊びや重き弁当預けられ
母の日や何故か吾妹に贈り物
春おぼろ歯医者の予約やうやくに
眉墨をきりりと差して花の冷へ
薔薇折れば心に残る棘うずく
野遊びや妻大好きな卵焼き
浜風にいちにち揺れし豆の花
奈良漬のこがね色なる花曇り
チューリップ活けて奈良漬いただきぬ
優しかる看護婦好きな薔薇に刺
恋猫のしっぽを立てて歩みけり
葉桜の闇に滲みし白き猫
花蘂を掃けばたちまち夕の雨
逝く春や句集に挟む詩の栞
岩燕見知らぬ駅に立ち寄れば
玄関はさぞやかましき燕の子
今新茶着きしと礼の遠電話
無意識の母を看たれば花吹雪
誘はれて蛍見むとて真の闇
花筏破り突然鯔飛びぬ
○hikeさん いつも拙い俳句にご批評いただき感謝。
引けば刹那に
チューリップ
微塵となりて
壊るかなしき
胸にある
秘密の扉
開くまじ
愛する人
の訪れるまで
若葉して御めの雫ぬぐはばや 芭蕉 (唐招提寺 鑑真像 国宝)
奈良七重毘沙門堂に春の蝶
奈良七重鑑真さまに若葉風
青嵐鑑真さまの目に涙
まぎれ無く目借り時なる句会かな
沈丁花苦吟の果ての夕まぎれ
つばくらや幾年妻に仕へしや (お笑いあれ)
野遊びや重き弁当預けられ
母の日や何故か吾妹に贈り物
春おぼろ歯医者の予約やうやくに
眉墨をきりりと差して花の冷へ
薔薇折れば心に残る棘うずく
野遊びや妻大好きな卵焼き
浜風にいちにち揺れし豆の花
奈良漬のこがね色なる花曇り
チューリップ活けて奈良漬いただきぬ
優しかる看護婦好きな薔薇に刺
恋猫のしっぽを立てて歩みけり
葉桜の闇に滲みし白き猫
花蘂を掃けばたちまち夕の雨
逝く春や句集に挟む詩の栞
岩燕見知らぬ駅に立ち寄れば
玄関はさぞやかましき燕の子
今新茶着きしと礼の遠電話
無意識の母を看たれば花吹雪
誘はれて蛍見むとて真の闇
花筏破り突然鯔飛びぬ
○hikeさん いつも拙い俳句にご批評いただき感謝。
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